秋冬の仕入れ前に、店販商品の現在庫と発注済みの数量を確認しましょう。まず確認したいのは、POSレジの機能そのものよりも、店舗内で「何を」「どこで」「誰が」「いつ」数えるかという数え方のルールです。POSレジを導入していても、このルールがそろっていなければ、帳簿上の在庫数と実際の在庫数のずれは解消しません。商品点数が少ない店舗では、紙のチェックリストや表計算ソフトでも棚卸しは十分に行えます。

棚卸し前に確認したい5項目

1. 商品を容量・種類ごとに分ける

同じブランドでも容量違い・色違いは別の商品として数えます。まとめて「シャンプー〇本」のように数えると、後で在庫数が合わなくなったときに原因を追いにくくなります。

2. 売場・バックヤード・取り置きなど、場所と区分を決める

店販商品は、売場に並んでいるもの、バックヤードの在庫、お客様の取り置き分など、複数の場所に分かれていることがあります。棚卸しの際は、どの場所をどの区分でカウントするかを事前に決めておきます。

3. 棚卸しの基準時刻と担当者を決める

在庫数は営業中も動くため、「いつ時点の在庫を数えるか」という基準時刻を決めておく必要があります。担当者が複数いる場合は、誰がどの棚を担当するかも事前に割り振ります。

4. 入荷・販売・店内使用・返品・破損の記録を残す

棚卸しで差異が出た際に原因を追いやすくするため、入荷・販売以外に、店内で使用した分・返品・破損や廃棄についても記録に残します。記録がなければ、実数と帳簿数のどちらが正しいかを判断する材料がなくなります。

5. 差異を調べてから在庫数を反映し、発注を決める

数えた結果と帳簿上の数字が異なる場合は、まず記録と照合して原因を確認します。原因が分からないまま帳簿の数字だけを実数に合わせてしまうと、同じ差異が繰り返される可能性があります。

実物を数えるときの実務手順

棚ごとに数え終えた商品には印をつけ、同じ商品を二重に数えないようにします。まだ数えていない棚は、数量が0の状態と混同しないよう、未カウントであることが分かるようにしておきます。店販用の未開封在庫と、施術で使うサンプル・見本は別々に管理し、混ぜて数えないようにします。

営業中に棚卸しを行う場合は、その間に発生した入出庫を別の記録に残しておく必要があります。営業終了後や開店前に実施する方法も選択肢の一つです。どちらを選ぶかは、店舗の営業時間や人員体制に合わせて判断します。

店販商品のボトルを数え、一覧表と照合する作業イメージ

棚卸し作業のイメージ(AI生成)。実際の製品画面ではありません。

差異を確認する小表の例(仮の数字)

下記は説明のための仮の例です。実際の商品名・数量ではありません。差は『実数−帳簿数』で計算しています。表が画面に収まらない場合は横にスクロールできます。

商品 帳簿数 実数 差 確認先
トリートメントA(200ml) 12 10 -2 販売記録・返品記録
シャンプーB(300ml) 8 8 0 -
ヘアオイルC(50ml) 5 6 +1 入荷記録・店内使用記録

差が出た商品は、まずもう一度数え直し、その後に販売記録・入荷記録・店内使用記録などと照合します。原因が特定できたら承認を得たうえで帳簿の在庫数を更新し、原因不明のまま数字だけを合わせることは避けます。

秋冬の仕入れ前に確認しておきたいこと

秋冬向け商品の仕入れを検討する際は、直近の販売実績・現在の在庫数・すでに発注済みで入荷を待っている数量・仕入れ先の納期を確認します。「この数式に当てはめれば最適な仕入れ数が決まる」といった万能の計算式はなく、店舗ごとの販売傾向や保管スペースに応じて判断する必要があります。

商品の使用期限や保管条件は、商品パッケージの表示やメーカーが案内する情報を確認してください。

棚卸しの記録方法は何を選ぶべきか

  • 商品点数が少ない場合:紙のチェックリストや表計算ソフトでも十分に運用できます。
  • 販売数と連動して在庫を追いたい場合:販売連動で在庫数を更新できるPOSもあります。ただし、仕入れ・店内使用・返品などは別途入力や設定が必要な場合があるため、対応方法を確認します。
  • 棚卸しの承認フローや差異管理まで一元化したい場合:対応する機能や有料プランの契約が必要かどうかを、各サービスの公式情報で確認してください。

たとえばスマレジには基本のレジ機能とは別に、より詳細な棚卸し機能があります。公式サイトの料金ページによると、この機能を含むリテールビジネスプランは月15,400円(税込・1店舗あたり)で、レジ機器などの費用は別途かかります(2026年10月1日確認)。基本のレジ機能と高度な棚卸し機能は別のプランとして案内されているため、契約前にどちらの機能が必要かを確認してください。

Squareについては、公式ヘルプページによると、棚卸し(在庫の一斉カウント)の機能はプラス・プレミアムプランが対象で、カウントの承認時に数え忘れた商品バリエーションは在庫数が0として扱われます(2026年10月1日確認)。一部の商品だけを数えるつもりで一斉棚卸しを実行すると、数えていない商品の在庫が0にリセットされる点には注意が必要です。

こうしたPOSレジの在庫管理機能を実際にどう使うかは、スマレジの在庫管理と導入前の確認点で、リアルタイムの在庫把握や顧客管理とあわせて解説しています。

導入・見直しの前に整理しておきたいこと

POSレジの導入や契約プランの見直しを検討する際は、次の点をあらかじめまとめておくと相談や試用がスムーズになります。

  • 自店で扱う店販商品の例(容量・種類の分け方)
  • 月に何回、棚卸しを行いたいか
  • これまでに差異が出た原因の傾向
  • 使用しているレジ機器やタブレットの種類

問い合わせや試用の際は、「販売」「店内使用」「返品」「棚卸しの承認」という4つの動きが、それぞれどう記録されるかを確認しておくと、導入後に想定と異なる部分が少なくなります。

複数のPOSレジを比較したい場合は、美容室・サロン向けPOSレジおすすめ5選もあわせてご覧ください。

まとめ

秋冬の仕入れ前の棚卸しは、POSレジの機能だけで完結するものではなく、商品の数え方・場所の区分・記録のルールをそろえることが前提になります。

  • 商品を容量・種類ごとに分け、場所と担当を決める
  • 入荷・販売・店内使用・返品・破損を記録し、差異が出たら原因を確認してから数字を反映する
  • 秋冬の仕入れは、直近の販売実績と現在庫、入荷待ちの数量を確認して判断する
  • 記録方法は商品点数や運用に応じて、紙・表計算・POSレジの中から選ぶ

POSレジの在庫管理機能をどう活用するかは、スマレジの在庫管理と導入前の確認点で具体的に解説しています。

出典(2026年10月1日確認)

関連記事