リクルートが提供する「Air」シリーズは、Airレジ・Airペイの名前で知っている方が多いですが、その集合体である Airビジネスツールズ という総称サービスをご存じでしょうか。経営に必要な業務を無料・低コストで揃えるためのツール群で、個人サロン・小規模店舗の開業者にとって選択肢の幅が広がる存在です。

この記事では、Airビジネスツールズの全体像・主要ツール・料金・評判を、2026年8月時点の公式情報にもとづいて整理しました。「無料と聞いたけれど、どこから有料になるのか」は金額と条件をはっきり書いています。

これから開業する方、すでにAirレジ・Airペイを使っていて周辺ツールを足すか迷っている方に向けた内容です。

Airビジネスツールズの基本情報

Airビジネスツールズは、リクルートが提供する個人事業主・小規模店舗向けの業務支援ツールの総称です。レジ・決済・予約・シフト・分析・採用といった店舗運営の業務を、共通のアカウント(AirID)で横断的にカバーするツール群として展開されています。

項目 内容
提供会社 株式会社リクルート
対象業種 飲食・小売・美容・サービス業全般
対応端末 ツールにより異なる(Airレジ・AirペイはiPadまたはiPhoneが必要/Airメイトはパソコン・タブレット・スマートフォンで利用可)
料金体系 無料で使えるツール+月額制の有料ツールの組み合わせ
主要ツール Airレジ / Airペイ / Airリザーブ / Airシフト / Airメイト / Airウェイト / Airワーク 採用管理 / Airワーク 給与支払 / Airマーケット 等

公式サイトではこのほかにAirレジ オーダー・Airペイ ポイント・Airカード・Airキャッシュ・レストランボードも案内されています。この記事では、サロン・教室で使う場面の多い9つを取り上げます。

主な提供ツール

Airビジネスツールズには以下のような業務別ツールが含まれています(2026年8月時点で公式サイトに掲載されているもの)。

Airレジ

無料のPOSレジアプリ。会計・商品管理・顧客管理・売上分析まで、すべての機能を0円で使えます。詳しくはAirレジは美容室で使える?料金・機能・口コミで解説しています。

Airペイ

キャッシュレス決済サービス。クレジットカード・電子マネー・交通系IC・QRコードに対応し、対応ブランドは92種。カードリーダーとiPad(またはiPhone)を組み合わせて使います。

Airリザーブ

ネット予約の受付・管理ができる予約システム。無料のフリープランがあり、予約件数はプランに関わらず無制限です。

Airシフト

シフト作成・共有を効率化するサービス。タイムカード打刻による勤怠管理もでき、労働時間はCSV書き出しや給与計算ソフトへの送信ができます。

Airメイト

Airレジなどのデータを自動集計し、売上や客数をひと目で確認できる経営サポートサービス。全機能が無料です。

Airウェイト

順番待ちの受付・呼び出しを自動化する受付管理アプリ。無料プランがあり、iPadとプリンターがあれば始められます。

Airワーク 採用管理

求人ページの作成から応募者管理まで行う採用サービス。採用ホームページ作成・求人公開・応募者とのやり取りは無料です(2025年4月よりIndeed Japan株式会社が提供)。

Airワーク 給与支払

スタッフへの給与振込をインターネット上でまとめて行えるサービス。人数分の振込作業や振込手数料の負担を減らせます。

Airマーケット

お店に役立つサービスを目的別に探せる提案サイト。Air以外のサービスもカテゴリから比較できます。

メリット

業務ツールをワンストップで揃えられる

レジ・決済・予約・シフト・分析・採用まで、店舗運営の主要業務をリクルート1社のアカウント(AirID)で揃えられる点は大きなメリットです。画面の設計に共通性があるので、覚えることが少なくて済みます。

無料で使えるツールが多い

Airレジは全機能が0円、Airメイトも初期費用・月額費用が0円。Airペイも月額固定費と振込手数料が0円です(決済ごとに手数料がかかります)。初期投資を抑えながらツール環境を整えられるのは、開業1年目には効いてきます。

決済手数料が2.48%になるプログラムがある

Airペイには「決済手数料ディスカウントプログラム」があり、Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club・Discoverのカード決済手数料が 3.24%→2.48% になります。月額固定費は0円のままです。

ただし 適用条件はカードブランドごとに異なり、それぞれ審査があります(2026年8月時点)。

  • Visa: 中小企業庁の定める中小企業者に該当(サービス業は従業員100人以下または資本金5千万円以下)/上場会社でないこと/直近1年の決済金額2,000万円以下
  • JCB・American Express・Diners Club・Discover: 中小企業者に該当/上場会社でないこと/4ブランド合計の年間決済金額1,000万円以下
  • Mastercard: 直近1年の決済金額1,000万円以下/上場会社およびその子会社・関係会社・提携先でないこと(中小企業者の定義に関する条件は掲げられていません)

いずれも「そのカードが使えることを示す店頭掲示ツールの掲出」と「適用外業種(不動産、ホテル・旅館、鉄道、タクシー、路線バス、引越し、宅配、旅行代理店)でないこと」が共通条件です。

なお公式には「適用要件はこれらに限られないものとなります」と記載があるため、最終的な可否は各ブランドの規約と審査によります。

個人サロン・小規模店舗の多くは条件の範囲に入りますが、審査結果は申込んでみないとわかりません。なお、交通系電子マネー・iD・QUICPay・楽天Edy・QRコード決済・オンライン決済はこのプログラムの対象外です。

サービス間でデータを引き継げる

Airレジの売上データをAirメイトで集計する、Airシフトで記録した人件費データをAirワーク 給与支払やfreee人事労務へ渡す、AirメイトとAirシフトをつないで人件費率と売上を並べて見る、といった使い方が公式に案内されています。同じアカウントで完結するぶん、二重入力が減らせます。

相談できる窓口が用意されている

電話・メール・チャットのほか、テレビ電話での「オンライン導入相談」、ビックカメラ店頭の「Airレジ サービスカウンター」で実機を触りながら相談する方法も案内されています。1人で店を回す方には心強い部分です。

デメリット・注意点

iOS中心でAndroid対応が限定的

AirレジとAirペイは、iPadまたはiPhoneが別途必要です。Android端末を中心に運用したい方には、この時点で選択肢から外れることがあります(Airメイトのようにパソコン・Android端末で使えるツールもあります)。

個別サービスの深さは専門サービスに劣る

たとえば会計ならfreee会計、シフト管理なら専用サービスなど、単機能を突き詰めたサービスに比べると、機能の深さで物足りなさを感じる場面があります。

全てを使いこなすには学習コストがある

「Airビジネスツールズ全体」として見ると機能が多く、何から始めればいいか迷うオーナーもいます。必要なツールから段階的に導入するのがおすすめです。

無料で使えるツールと有料のツールが混在している

「Airは無料」というイメージが先行しがちですが、有料のツールもあります。Airシフトは利用開始月と翌月が無料で、3ヶ月目以降はスタッフ1人あたり月額330円(税込)。Airリザーブはベーシックが月額5,500円(税込)、Airウェイトはベーシックが月額11,000円(税込)です。どこから費用が発生するかは、次の料金表で確認してください。

料金プラン

2026年8月時点の公式サイトに掲載されている料金は以下の通りです。

ツール 料金
Airレジ 0円(初期費用・月額費用・サポート費用すべて0円)
Airペイ 月額0円・初期費用0円・振込手数料0円/決済ごとに手数料0.99%〜3.24%
Airメイト 0円(全機能が無料)
Airリザーブ フリー0円/ベーシック月額5,500円(税込)/スタンダード月額11,000円(税込)/プレミアムは要問い合わせ
Airシフト 利用開始月と翌月0円/3ヶ月目以降はスタッフ1人あたり月額330円(税込)※スタッフ2人以下は一律月額990円(税込)
Airウェイト 無料プラン0円/ベーシック月額11,000円(税込)/スタンダード月額22,000円(税込)
Airワーク 採用管理 求人の作成・公開・応募者対応は0円(求人掲載の有料オプションは3,000円〜)
Airワーク 給与支払 スタッフ1名ごとに料金がかかる(金額は公式サイトに掲載がなく、資料で確認する形)
Airマーケット 利用無料

Airペイの決済手数料は「0.99%〜3.24%」

Airペイの手数料は「0.99%から」と紹介されることがありますが、0.99%はQRコード決済のCOIN+に適用される税抜料率で、下限にあたる数字です。上限は3.24%で、多くの決済手段はこちらに該当します。決済手段別の内訳は次のとおりです。

決済手段 決済手数料
クレジットカード・電子マネー(Visa/Mastercard/JCB/American Express/Diners Club/Discover/銀聯/Apple Pay/iD/QUICPay/楽天Edy) 3.24%
交通系電子マネー(Suica・PASMO・ICOCAなど) 税込3.24%
QRコード決済のうちCOIN+ 税込1.08%(税抜0.99%)
d払い・PayPay・au PAY・楽天ペイなどのQRコード決済 税込3.24%

上の「決済手数料が2.48%になるプログラム」に通れば、主要カードブランドの3.24%が2.48%になります。手数料と入金の詳しい仕組みはAirペイの手数料・入金サイクル徹底解説にまとめました。

売上の入金は、利用する口座によって 月6回(みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行)または月3回(その他の金融機関)。振込手数料はすべての銀行で0円ですが、ゆうちょ銀行は利用できません。

決済端末を1台で完結させたい方には、レシートプリンター内蔵のオールインワン端末を使うPAYGATEという選択肢もあります。iPadやiPhoneを別に用意しなくてよいので、施術スペースが狭いサロンや出張施術との相性が良いタイプです。料率や月額は契約内容によって変わるため、条件は問い合わせで確認するのが確実です。見積もりだけの相談も受け付けています。

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「無料ツールを軸に固めて、必要になったら有料ツールを足す」という順番で考えると、費用が読みやすくなります。

実際の口コミ・評判

良い評判

  • 「レジ・決済・分析を1つのアカウントで揃えられて便利」
  • 「無料で使えるツールが多く、開業初期の負担が小さい」

気になる評判

  • 「iPadが必要なツールが多く、Android環境で困る」
  • 「専門機能は単機能ツール(freee会計など)の方が深い」

どんな人におすすめか

向いている方

  • 業務ツールをリクルート系で統一して揃えたい方
  • 無料で使えるツール中心に開業初期を乗り切りたい方
  • 決済手数料ディスカウントプログラムの条件に当てはまる小規模店舗
  • iPadを中心に業務を組み立てる方

あまり向かない方

  • Android端末中心で運用したい方
  • 深い専門機能を求める中〜大規模事業者
  • freee・マネーフォワード等の他社ツールで既に運用が固まっている方

申込みの流れ

  1. 公式サイトへアクセス
  2. 必要なツールを選択(複数同時申込み可)
  3. AirIDを作成(共通アカウント)
  4. 各ツールの初期設定
  5. 運用開始

AirID1つで複数ツールを使い分けられるため、二度手間が発生しにくい設計です。Airペイは審査を経てカードリーダーが届くので、オープン日が決まっている方は早めに動きましょう。

POSレジ単体でも比較しておきたい方へ

Airレジは無料で始められるぶん、レジまわりの機器や設定は自分で組み立てる形です。「導入時に設定を手伝ってほしい」という場合は、有料のクラウドPOSも比較対象に入れておくと判断がぶれません。

代表的な選択肢がスマレジです。資料請求で自分の店舗規模に合うプランを確認できます。Airレジとの違いはスマレジとAirレジを徹底比較で整理しています。

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まとめ

Airビジネスツールズは、リクルート系で業務ツールを統合したい個人事業主・小規模店舗 に向いた選択肢です。Airレジ・Airペイを入り口に、Airリザーブ・Airシフト・Airメイトなど必要なツールを段階的に追加していく運用が現実的です。

押さえておきたいポイントを3つにまとめます。

  • Airレジ・Airメイトは0円、Airペイも月額0円。無料で始められる範囲が広い
  • ただしAirシフト(3ヶ月目以降・1人330円税込)やAirリザーブ(5,500円税込〜)など有料のツールもある
  • Airペイの決済手数料は0.99%〜3.24%。多くの決済手段は3.24%だが、条件を満たして審査に通れば主要カードは2.48%になる

「これ1つですべて完結」を目指すより、「必要なものから積み上げる」意識で使うのが、Airビジネスツールズの活かし方です。まずはAirレジかAirペイから始めて、手が回らなくなった業務のツールを足していくのがおすすめです。

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